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【現役獣医が解説】猫の腎臓病と水分の関係
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喉が渇いた
種類
年齢 全年齢
診療科目 泌尿器科
症状 腎臓病

ふじわら動物病院
院長の藤原光宏です。(プロフィールはこちら

猫ちゃんの飼い主様からよくいただく質問の1つに

「猫が水を飲む量が減った」
「猫が水を飲んでくれない」
というものがあります。

 

そもそもの話、猫はあまり水を飲みません。
理由は諸説あるようですが、猫はもともと砂漠に住んでいたためあまり水を飲まないでも大丈夫な体質と言われています。

 

喉が渇いた

猫の理想的な飲水量は

体重1㎏あたり 50~60ml

です。

 

猫ちゃんの体重を4㎏とした場合、1日当たりの飲水量は約240mlくらいですね。
人間のコーヒーカップ1杯で200~250mlですので、人間と比べると元々お水を飲む量はかなり少ないというのがわかりますね。

 

コーヒーカップ

これを見ると、うちの子そんなに飲んでないかも・・・

という方もいらっしゃるかもしれませんが、水分は飲水だけでなくキャットフードからも摂取しています。
おおよその目安ですが、

 

・ドライフードの水分含有量・・・10%程度
・ウェットフードの水分含有量・・・75%程度

 

となります。

ウェットフードを食べている猫ちゃんはお水を飲んでいなくても、意外と水分は補給できているかもしれませんね。
ドライフードを食べていてお水を飲んでくれない場合は、ウェットフードで水分を補給するという方法も視野に入れていきましょう。

 

ただ、あまりにも水を飲まない場合は、腎臓病の疑いがありますので、かかりつけの動物病院に相談をしましょう。
※逆にお水を大量に飲む場合も腎臓病の疑いがあります。

そして、これまたよくある飼い主様からの声として、

「何mlのお水を飲んでいるのかわからない!」

というものです。

大丈夫です。
イマドキの猫ちゃんグッズは非常に充実しているので、こんな便利グッズがありますよ!

猫飲水量
飲水量が一目でわかるウォーターボール

これを使えば飲水量が一目瞭然です。

■猫ちゃんの水分摂取量・飲水量を増やす工夫

慢性腎臓病の治療で食事療法とセットでやっていくのが水分量のコントロールです。
猫ちゃんはもともとお水をあまり飲まない傾向にあるので、
どうお水をのませたらいいんだろう・・・

とお悩みの飼い主様も多いはず。

猫ちゃんの水分摂取量、飲水量を増やす工夫をいくつか紹介しますね。

 

1.多頭飼いの場合は、頭数よりも多くの水飲み場を作る
2.きれいなお水を常に提供する(猫ちゃんはきれい好きなので、ゴミが入った水は飲みたがりません)
3.ウォーターボールは床ではなく、台の上など少し高くしたところへ置く
4.猫と遊びながら、水の容器を口元へ持っていて飲ませる
5.お皿型の容器にお水を入れてみる
6.1時間ごとにスポイトで少量の水を与えてみる
7.常温ではなくぬるま湯を与えてみる
8.おやつの代わりに少量の氷を与えてみる
9.猫によって器の形や素材に好みがあるため、器を変えてみる
10.蛇口からぽたぽた垂れる水の近くに猫を近づけてみる(猫は本能的に動くものに興味を惹かれます)
11.トイレと水飲み場の距離を一定以上保つ(悪臭がする近くでは水を飲みたがらない)
12.水の種類を変えてみる(水道水、ミネラルウォーター、水素水など)
13.お湯でふやかしたドライフードを与えてみる

きれい好きな猫

水を飲むことで、老廃物を尿と一緒に体外に出すのが腎臓の役割ですが、
飲水量が少ないとおしっこが出ずに老廃物が体内にたまってしまいます。

腎臓に負担がかかり続ける状況だと、腎臓にダメージが蓄積されて腎臓病になります。

腎臓は再生ができない臓器なので、異常を早期に発見して大切に使ってあげることが必要です。
健康診断を定期的に受けて、異常を早期発見していきましょう。

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