この時期のワンちゃんは元気いっぱいな時期でもあります。
この時期に気をつけていただきたいのは、「病気になりにくい習慣作り」です。この時期の習慣が老後の健康管理に関係してきます。この時期からしっかりと健康管理を行いましょう。
この時期に気をつけたいこと
下記の項目を行うことで、「病気になりにくい習慣作り」を行いましょう。
年間の予防スケジュール
1.ワクチン接種
現在、混合ワクチンは最大でワンちゃんは9種の感染症が予防が可能です。感染症の中には単独感染(たくさんの病気に一度にかかるのではなく、一つの病気に感染すること)で死亡率が高いものもあります。必ず毎年1回の接種をしてあげてください。初年度は合計で3回の接種が必要です。
予防できる病気 | 5種ワクチン | 7種ワクチン | 9種ワクチン |
---|---|---|---|
犬ジステンパー | ◎ | ◎ | ◎ |
犬アデノウイルス2型感染症 | ◎ | ◎ | ◎ |
犬伝染性肝炎 | ◎ | ◎ | ◎ |
犬パラインフルエンザ | ◎ | ◎ | ◎ |
犬パルボウイルス感染症 | ◎ | ◎ | ◎ |
犬コロナウイルス感染症 | × | × | ◎ |
犬レプトスピラ感染症 黄疸出血型 | × | ◎ | ◎ |
犬レプトスピラ感染症 カニコーラ型 | × | ◎ | ◎ |
犬レプトスピラ感染症 ヘプドマディス型 | × | × | ◎ |
2.狂犬病予防接種
狂犬病の予防注射は法律で定められている飼主様の義務です。注射は地域で行う集合注射と病院で行う2つの方法があります。当院でも狂犬病の予防接種をすることができます。他のワンちゃんと一緒の集合注射は不安という方は病院での接種もご検討下さい。
3.フィラリア予防
フィラリア症は、心臓の中に長さ20~30センチの素麺のような寄生虫が感染することです。蚊によって感染する病気です。特に、体の小さい室内犬は心臓の大きさも小さいですので、感染するとほとんどが死に至ります。1ヶ月に1回の飲み薬で確実に予防できます。
年齢に関係なく4月初旬から12月までの投薬が必要です。仔犬でも40日齢以降は早めに始めることをお勧めしています。
※フィラリア予防の前には感染確認のための検査が必要になります。
4.ノミ・ダニ予防
春先から秋まで寄生することがあります。ワンちゃんにノミ・ダニが感染すると、皮膚炎やバベシア症・ライム病などを引き起こします。また、人間にも感染し、刺します。「今ついてないから…」ではなく、ノミ・ダニが付く前に「付かないように」予防してあげましょう。
ノミ
室内に入れる犬では、家の中でノミが繁殖して人が噛まれることもあります。ワンちゃんによっては、アレルギーで下半身が脱毛することがあります。
ダニ
屋外でダニを付けてくることで寄生します。散歩途中で寄生します。
5.定期駆虫
条虫や回虫などのお腹の虫の駆虫をしましょう。お薬を飲ませていただくことで、駆虫ができます。
将来的に、繁殖を希望されない場合には、早い時期での避妊・去勢手術をお勧めしています。早い時期に手術を行うことで、将来の病気を防ぐことができます。
子犬の歯は、乳歯から生後6ヶ月程度になると永久歯に生え変わります。
乳歯が抜けずに、そのままで永久歯が生えてくると歯並びが悪くなったり、歯石がたまりやすくなったりします。これが原因で、歯周病になったり、歯の咬みあわせが悪くなり、ものを噛みにくくなることもあります。生後6ヶ月経過し、乳歯がのこっているようであれば抜歯した方が将来的にワンちゃんのためになります。
最近、急に目が見えなくなったというダックスやプードルが増えてきています。
「進行性網膜萎縮」という病気で突然失明してしまう病気があります。症状が急に目が見えないような状態になるのですが、進行性というぐらいなので、徐々になることもあります。現在では、この進行性網膜萎縮の治療や手術はなく、進行を遅らせるもしくは、予防するサプリメントしかありません。
1.食事管理
食事は毎日の栄養管理の基本となります。栄養バランスを考えたフードをあげることをお勧めします。フードの種類にも色々とありますが、ドライフードをお勧めしています。ドライフードは歯や顎の関節を鍛えることもできますし、歯石の予防もすることができます。食事の回数もしっかりと管理してあげましょう。
また、常に新鮮な水を飲めるようにもしてあげてください。特に夏場は水分不足が熱中症の原因にもなります。
2.爪切り
爪を切らずに放っておくと、丸く巻き込んで肉球に刺さってしまったり、中の血管が伸びてしまい、わずかに切っただけでも出血するようになってしまします。
非常に嫌がる犬が多いので、仔犬の頃から慣らしてください。最初は痛い思いをさせないように、爪を切る真似をして、おとなしくしているときにご褒美をあげるとだんだん慣れてきます。
3.肛門腺絞り
肛門のすぐそばに穴が開いていて、分泌物が出てくるようになっています。この分泌物を定期的に取り除いてあげることが必要になります。この分泌物が原因で炎症を起こしたり、皮膚炎を起こしてしまうこともあります。お家でもできますし、病院でもすることができます。
4.お散歩
はじめはお家のなかで2~3日間はリードをつけてお散歩の練習をしてみましょう。
最初はワンちゃんの好きなようにお家を歩かせてみて、動かなかったり、嫌がっても決して無理に引っ張らないでください。ワンちゃんは1回で30分のお散歩よりも5分のお散歩を休憩いれながら6回行くほうが慣れます。最初から無理をせずワンちゃんのペースにあわせて楽しくお散歩してあげましょう。
5.シャンプー・ブラッシング
ブラッシングで早めに皮膚病を見つけることができます。長毛種ではまめにブラッシングしないと毛玉ができ、皮膚病の原因になります。換毛期は特に念入りに行ってください。
シャンプーは月に1~2回程度が目安です。必要でない限りは、洗い過ぎはよくありません。ブラッシングしてから洗うと効果的です。